脂質代謝の普遍的制御機構を解明することは、脂質代謝異常の病態の理解及びその防御法の開発に繋がり重要である。本研究では肝臓で高発現している脂質転移タンパク質であるSTARD10について、その脂質代謝への関与を明らかにすることを目的とした。Stard10遺伝子のノックアウトマウス(Stard10-/-マウス)を作製し、その表現型を解析した結果、Stard10-/-マウスは野生型マウスと比較し、高脂肪食負荷時の肝臓への脂肪蓄積が低下していた。遺伝子発現の解析やレポーターアッセイの結果、STARD10はPPARα下流遺伝子の発現を正に調節することにより、脂質代謝に関与することが明らかになった。
|