患者数が最多の肝疾患である脂肪肝の確定診断には、侵襲性が高い肝生検で行なわざるを得ないのは現状である。患者数の急増に備え、非侵襲的な確定診断法の開発は強く望まれている。本研究は独自に開発したTSPOの放射性プローブを用い、PETにより代表的な肝疾患に対し、非侵襲的な画像診断法の開発と機序の解明を目指した。その結果、脂肪肝疾患に対し、発症及び病気進展の先行指標である蛋白質TSPOをバイオマーカーとして特定したうえで、TSPOに特異的な分子プローブ[18F]FEDACを開発し、PETでTSPOを可視化することにより、世界で初めて脂肪肝疾患の早期診断、進行度判定が可能なPET診断法の開発が成功した。
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