疫学調査で子どもの言語発達を把握するために、米国で開発されたBoston Naming Testが用いられることが多いが、ここには日本人には馴染みのない語彙が含まれている。日本人の語彙力を調べるために、日本の社会文化的背景を考慮した検査を開発することとした。教育基本語彙の基本的研究(明治書院, 2009)に記載のある語彙から300語を抜粋し、そのイメージする絵を白黒の線画で描画した。それを5歳~12歳の391名に提示し、その名称を回答させた。回答結果を用いて、信頼性(内的整合性、折半法)と妥当性(併存的妥当性、内容的妥当性)を調べ、条件を満たした60項目を日本語版語彙検査の項目とした。
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