現存する最高レベルの検出感度を有する多種類の質量分析計を用いて、薬物摂取後の手指表面(指紋)上に分泌される極微量の薬物の検出を試みるとともに、同時に採取した体液(尿、血液等)中の薬物濃度との相関を調べることで、現時点で指紋からの薬物検出が法科学における薬物検査にどの程度応用できるか検証した。 風邪薬等を摂取して数日経過した後に採取した指紋から尿や血液と同様に薬物や代謝物を検出できた。また、一週間放置された遺留指紋から数種類の薬物を検出できた。 指紋は、尿や血液に代わる採取が容易な生体資料となり得る。また、事件現場の遺留指紋から、特定人物の指紋付着時の薬物との関係性を明らかにできる可能性がある。
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