ラットにおいて、うつ様行動は強制水泳試験により広く測定されているが、動物の個体差がうつ様行動を引き起こす手技よりも強いうつ様行動を示すことがある。そこで、100匹程度のラットのうつ様行動を調べ、うつ様行動の高い個体と平均的な個体を抽出し前頭前野と小脳において遺伝子発現変化を解析し、発現の変化する神経ステロイド合成酵素遺伝子の探索を行ったが良好な結果を認めなかった。そこで統計学的手法を用いて更なるメカニズムを解析したところ神経ペプチドの成長ホルモンの著明な発現減少を小脳および前頭前野で認めた。この結果より、成長ホルモンは新規のうつ様行動関連遺伝子となる可能性が考えられる。
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