基底膜分子パールカンを欠損した大動脈組織は、内皮依存性弛緩機能の低下を引き起こすことを示し、大動脈組織における内皮型NO合成酵素(eNOS)の発現低下を引き起こすことを示した。パールカン遺伝子の発現を人為的に低下させた大動脈内皮細胞も、eNOSの発現低下を示し、この低下したeNOSの発現は、組み換えパールカンの存在下で回復すること示した。これらより、パールカン欠損大動脈は、内皮依存性弛緩機能の低下で示されたような内皮機能低下を引き起こし、この機能低下は、eNOS発現の減少に起因することが明らかとなった。そして、パールカンは大動脈内皮のeNOS遺伝子発現維持に役割を果たしていることがわかった。
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