本研究では、グレリンの分泌制御機構について検討を行った。グレリン産生細胞に長鎖脂肪酸の受容体であるGPR120が発現していることを見出した。グレリン産生細胞株及びマウス胃粘膜初代培養細胞を用いてGPR120のアゴニスト処理によってグレリン分泌が抑制されることを明らかにした。また、GPR120 アゴニストは extracellular signal-regulated kinase (ERK) の リン酸化を介してグレリン分泌を抑制することを示した。さらに、グレリン分泌を制御する脳内神経核の同定を目的に、交感神経起始核の電気破壊実験を行い、視床下部傍室核がグレリン分泌を制御する可能性を示唆した。
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