関節リウマチ(RA)での骨破壊機序におけるS1Pとその受容体シグナルの役割を検討した。S1P/S1P1シグナルはRA滑膜細胞株(MH7A細胞)とCD4陽性T細胞でのRANKL発現を増強した。またS1Pは骨芽細胞株(C2C12)でのRunx-2 mRNA発現とALP活性を上昇させ、osteocalcinの産生を促進すること明らかにした。S1PはRAにおいて滑膜細胞とCD4陽性細胞でのRANKL発現を上昇させ破骨細胞分化を促進させることで炎症性骨破壊に関与するいっぽう、骨芽細胞新生に対しても促進的に作用していることが明らかとなった。S1PはRAの骨の恒常性を担う重要な因子であると考えられる。
|