我々は、マウス筋芽細胞において横紋筋肉腫特異的融合遺伝子安定発現による遺伝子発現変化を発現アレイにて比較し、横紋筋肉腫の造腫瘍性に関与する候補遺伝子として、Rps6ka1を抽出した。横紋筋肉腫腫瘍検体の検討では、正常骨格筋に比べてRSK1の高発現を認めた。RSK1阻害剤であるBI-D1870は、横紋筋肉腫細胞株において増殖を抑制し、G2/M期細胞周期停止を惹起した。また、BI-D1870処理により、分化のマーカーであるMyosin Heavy Chainの発現が増加し、分化の誘導を認めた。RSK1は横紋筋肉腫に対する新規分子標的となりうる可能性が示唆された。
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