血小板減少性紫斑病ITPや血液型不適合を合併した母体から出生した新生児では、しばしば血小板減少や溶血性黄疸を来たし、頭蓋内出血や核黄疸など重篤な合併症の危険性がある。しかしながら病勢を予測する因子は特定されていない。今回の研究では、血球貪食機能を有する単球やマクロファージのFcレセプターの促進的FcγR2A・抑制的機能FcγR2Bのバランスに着目した。ITPと血液型不適合いずれの症例においても、正常コントロールと比較してFcγR2A/2Bのバランスが高かった。今後は血小板減少や溶血性黄疸を来たした例において、バランスの相違と治療経過による変化を観察する必要がある。
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