子宮内胎児発育遅延による低出生体重児では学習障害や気分障害など発達障害の発症率が高いことが指摘されている.しかしながら子宮内胎児発育遅延の原因は妊婦の低栄養,妊娠高血圧症,先天奇形など多様であるため低出生体重児における発達障害の発症機序の詳細は不明である.本研究では若い女性の痩せ志向に着目し,妊娠中の摂餌制限が子ども脳と精神の発達に及ぼす影響をマウスを用いて検討した.妊娠中に摂餌制限を受けた母獣から産まれたマウスは,正常マウスと比較して小さく,認知機能や情動に異常が認められた.本研究結果は妊婦のダイエットは子宮内胎児発育遅延の原因となるだけでなく,子どもの精神発達に影響を及ぼすことを示唆する.
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