本研究では、脳血管障害によるストレス脆弱性の臨界期の同定を試みた。野生型マウスに偽手術あるいは左総頸動脈永久結紮手術(以下、結紮手術)を施し、直後または2週間後から2週間のストレスホルモン投与後にうつ病関連の行動試験を実施した。その結果、スクロース参照試験において先行研究と同様に、偽手術および結紮手術の両群ともに4週間のストレスホルモン投与により十分なうつ病様行動異常を示した。興味深いことに、結紮手術群では、手術の2週間後からの2週間のみのストレスホルモン投与で十分なうつ病様行動異常を示した。これらの結果より、脳血管障害によるストレス脆弱性にはその慢性期に臨界期があることが示唆された。
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