本研究では、脳波データによる機能的連関評価を応用したASD超早期診断技術開発の基盤となる知見を確立するため、主として① 乳児の機能的連関評価に適した脳波計測パラダイムの確立に関する予備的検討、② ASD超早期スクリーニングの精度向上に併用可能な生物学的因子の探索的検討に取り組んだ。研究の結果、乳児の視覚的注意を引きやすい幾何学図形アニメーション観察中の背景脳波データ計測により、機能的連関評価に十分な長さの脳波データを安定して計測可能なことが示された。また、神経伝達に関連する遺伝子多型が、発達早期の社会的コミュニケーション能力と関連している可能性を見出した。
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