放射線感受性の異なる正常線維芽細胞、Ataxia Telangiectasia細胞を用いて低線量率照射後の感受性を染色体異常から解析した。細胞はG0期の状態で0.5 Gy/dayの線量率で1-3 Gy照射した。1 Gy当たりの線量で正常細胞では0.36個、AT細胞では3.3個の染色体断片が見られた。3 Gy照射後にG0期染色体とG2期染色体解析を行ったところ、G2期では染色体の誤修復である転座数はG2期で増加がみられたが、8割の誤修復はG0期で見られておりAT細胞ではG0期で多くの誤修復が見られたことからAT細胞では染色体断片の認識に遅れがあり高線量率と同様な感受性を呈することが示唆された。
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