がん幹細胞が放射線感受性に及ぼす影響を明らかとするため、頭頸部癌を対象に研究を行った。がんセンター東病院で根治的放射線治療を施行された中咽頭癌症例の生検標本を用いて、免疫組織学的にがん幹細胞マーカーとHPV感染を反映するp16蛋白の発現と、治療効果の相関について検討した。局所領域制御率は、がん幹細胞マーカー発現が治療成績に有意に相関していた。また、p16との組み合わせで予後不良群を検出可能であった。その結果を踏まえ、現在ヒト食道癌細胞株を用いた照射実験で、がん幹細胞マーカーの発現(蛍光抗体法やwestern blotting法)と放射線照射後の生残率の相関に関しても追加で検討を進めている。
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