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2012 年度 実施状況報告書

HLA特異的IgM抗体価による新しい肺移植後免疫学的モニタリングの検討

研究課題

研究課題/領域番号 24791377
研究種目

若手研究(B)

研究機関岡山大学

研究代表者

三好 健太郎  岡山大学, 大学病院, 助教 (50534773)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード抗HLA抗体 / IgM / 肺移植 / 免疫学的活動性
研究概要

研究A:Flow PRA-IgM法の確立
Flow PRA(One Lambda) HLA class I およびIIパネルビーズとコントロールビーズを使用し、肺移植レシピエント血清中の抗HLA-IgM抗体の検出が可能か評価した。各ビーズを患者血清と混合してインキュベートした後、抗ヒトIgM FITC標識抗体とさらにインキュベートした。このサンプルをFlowcytometerにて解析し、HLAパネルビーズの染色の平均蛍光強度を測定した。以上の操作をコントロールビーズをもちいることでバックグラウンドの非特異的IgM結合を評価して、これを差し引きしてIgM価とする。なお、血清中のタンパク質がビーズ表面に付着して生じる抗体の非特異的反応による影響を最小限とするために吸着ビーズによる処置をあらかじめ行った。リンパ球クロスマッチ試験(LCT)でIgM陽性の被験者の血清サンプル(10検体)を利用して以上の方法でHLA特異的IgMを測定したところ、LCTとほぼ同様の特異性を持ったIgM抗体の検出が可能であった。
研究B:肺移植後急性期の患者サンプルを用いた後ろ向き検討
臨床肺移植患者を対象とし、移植後14日間の連続的なHLA特異的IgM抗体価の推移を評価した。本研究期間中に肺移植を実施し、急性拒絶反応を発症した2例を含む5例について拒絶反応に一致して同抗体価が上昇していることを確認した。また拒絶反応を臨床的に発症していない状況下においても抗HLAIgM価は日々fluctuatinしていることが判明した。現在対象患者数を増やして免疫抑制剤の濃度との相関についての統計学的解析に耐えうる症例数を蓄積中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究に利用する検査法の確立を確認し、現在研究対象症例およびサンプルをさらに蓄積中である。肺移植は定期的に実施される症例数の多い手術ではないので、対象症例数およびサンプル数の蓄積の速度には限度があるが、研究の準備段階としてはおおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

引き続き、肺移植患者の術後抗体価推移のデータを集積し、拒絶反応発症ハイリスクを示唆するIgM価カットオフ値の決定すると同時に、通常胸部外科手術後患者血清サンプルを利用した自然免疫の活性化がIgM価におよぼす影響についての検証、亜急性期のIgM価推移の調査を進める。

次年度の研究費の使用計画

検体解析に必要なFlow PRA試薬、検体処理に必要なプラスティック器具の継続購入、学会出張旅費に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Extended criteria lungはどこまで使用可能なのか-ドナー・レシピエント双方のスコアリングにもとづく解析2012

    • 著者名/発表者名
      三好健太郎
    • 学会等名
      第65回日本胸部外科学会総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20121017-20121020

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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