研究実績の概要 |
研究A:Flow PRA-IgM法の確立 Flow PRA HLA classI, IIパネルビーズおよびコントロールビーズを用い、さらにこれを抗ヒトFITC標識抗体を用いてラベルしてFlow cytmetryする手法で測定することが可能となっている。研究初年度にて終了。 研究B:肺移植後急性期の患者サンプルを用いた後ろ向き検討 臨床情報(炎症マーカー、免疫抑制剤トラフ値、腎機能値、感染症の有無など)についてのデーターベースの作成、臨床肺移植患者(研究群)および開胸肺切除患者(コントロール群)において術後急性期14日間の血液検体について回収し、抗HLA-IgM価を上記研究Aで確立したFlow PRA-IgM法にて測定した。平成25年度より臨床検体の解析を開始し、H26年度終了時で31症例(研究群26例、コントロール群5例)のサンプルが回収でき、これを解析している。現在までのサンプル解析で、急性拒絶非発症時は抗HLA-IgM価の変動が小さく、またコントロール群では変動はより小さい一方、急性拒絶発症時に明らかな高値を認めた。この結果から抗HLA-IgM抗体価が移植グラフトに対する免疫活動性に相関している可能性が示唆された。コントロール群の測定値の平均から胸部侵襲手術後の抗HLA-IgM価の基準値を決定し、症例数が少ないものの現時点でのデータを利用して急性拒絶反応発症ハイリスクを示唆する直前のIgMカットオフ値を決定した。
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