本研究の目的はサイトカインの遺伝子多型を術前に解析することによって個々の術後合併症リスクの予測システムを開発することにある。 消化器外科症例の周術期に様々な血清サイトカイン濃度を測定した。血液中より遺伝子を採取、サイトカイン遺伝子多型を解析した。その結果、食道癌術後症例において周術期の血清IL-10値はIL-10 -819TT遺伝子多型よりもCT+CC遺伝子多型をもつ群の方が有意に高値であった。またIL-10 -819TT遺伝子多型は術後肺炎を発症した患者群で有意に高頻度であった。IL-10 -819TT遺伝子多型は食道癌術後の肺炎発症の危険因子である可能性が示唆された。
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