脊索腫は脊索の遺残組織から発生し頭蓋底に好発する難治性の腫瘍です。今回私達は比較ゲノムハイブリダイゼーション法を用いた染色体解析を行い、経過との比較を行いました。また、近年脊索腫の進行において重要な役割を果たしているとされるT遺伝子とその産物であるbrachyuryタンパク質についても調べ、経過との比較を行いました。染色体1番短腕の欠失と1番長腕, 2番短腕の過剰がある症例、brachyuryの発現のある症例、T遺伝子のコピー数増加のある症例などは、再発までの期間が短く予後が悪いことが明らかになりました。今回の結果によりbrachyuryが分子標的治療の標的として有望である事がわかりました。
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