免疫組織染色結果から、Sirtuin1(以下 SIRT1)は正常子宮内膜よりも子宮内膜癌で有意に高発現し、子宮内膜癌においては、SIRT1 高発現症例は有意に生存期間が短縮していた。子宮内膜癌細胞株においては、SIRT1 は細胞の増殖能を亢進しシスプラチン耐性を増強したが、SIRT1 選択的阻害剤 EX527 はこの作用を効果的に抑制した。ヌードマウスの子宮内膜癌異種移植腫瘍形成においても、SIRT1 過剰発現は腫瘍増大を亢進したがEX527 は有意に腫瘍増大を抑制した。SIRT1 は子宮内膜癌の新たな治療標的となり、その阻害薬 EX527 は新規治療薬候補として有望であることが示唆された。
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