本研究は、副鼻腔粘膜における細菌叢をDNAレベルで解析を行い、副鼻腔炎と健常者における差を検討することを目的とする。副鼻腔炎患者12例(喘息合併例・非合併例それぞれ6例ずつ)、健常者6例からそれぞれ綿棒を用いて鼻内を擦過し、綿棒に付着した細菌を含む細胞などからDNAを精製、さらに16s rRNA をPCR 増幅、制限酵素で切断を行い、得られた断片を末端標識制限酵素断片多型分析 (T-RFLP) にて解析した。少なくとも1検体あたり20種前後の細菌が含まれ、細菌種の数は健常者のほうが副鼻腔炎患者よりも多い傾向にあった。健常者では粘膜上で細菌が密に関わることで感染・炎症を抑えている可能性がある。
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