鼻腔粘膜上皮における線毛運動の活動性の一部は、ATPを介した伝達機構により調節される。近年、pannexin-1がATP透過性を有しており、ATP放出に重要な役割を担っていることが明らかとなったが、ヒト鼻腔粘膜におけるpannexin-1発現の有無や、ATP放出機能の有無は調べられていない。 本研究では、ヒト鼻腔粘膜におけるpannexin-1とP2X7の発現を分子レベルで明らかにし、pannexin-1がATP放出に関与している可能性を示した。鼻腔粘膜に発現するpannexin-1は鼻腔粘膜線毛運動をダイナミックに調節しており、鼻副鼻腔疾患に対する治療ターゲット分子となり得る。
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