近年、硬組織再建に生体親和性の高い人工骨が開発され、すでに臨床応用されている。しかし現在までに頭頸顎顔面領域の大きな硬組織再建における低侵襲かつ安全性のある生体材料および硬組織再建法は無いのが現状である。本研究ではラットにおける完全な貫通孔を有するハニカムβ-TCPの硬組織形成能を組織学的に検討したところ、TCPの孔径によって良好な骨組織形成を認めた。またハニカムβ-TCPをラット頬骨部の全層骨欠損部に移植したところ、マイクロCTにおいて断端骨との良好な骨癒合像が認められた。以上の結果から、顔面領域の硬組織再建においてハニカムβ―TCPは非常に優れた生体材料となりえる可能性が示唆された。
|