酸感受性・陰イオン透過性チャネルaquaporin-6(AQP6)が未成熟分泌顆粒に局在し、陰イオンを流入することで内部酸性環境の維持を行うと考えた。未成熟分泌顆粒を識別するための唾液腺分泌顆粒特異的pHインジケーターを合成し、生きた状態で分泌顆粒内のpHを解析することに成功した。予想に反して内部pHが酸性の顆粒は検出出来ず、未成熟分泌顆粒は識別できなかった。一方、耳下腺から精製した低密度(未成熟)および高密度(成熟)分泌顆粒の膜を解析した結果、未成熟分泌顆粒により多くのAQP6が存在することを認め、AQP6が唾液腺分泌顆粒の成熟過程に重要な役割を果たす可能性が示された。
|