何十年にもわたって、抗がん剤治療の主流は白金系薬剤であった。しかしながら、抗がん剤治療は、使用するにつれ抗癌剤耐性化が生じ、最終的にはきかなくなってしまう。我々は、血小板成長因子受容体PDGFR がHGF受容体であるMet 蛋白質の発現上昇を促すことで、抗がん剤耐性化に関与していることを見出した。抗がん剤治療依存的にMet蛋白質の発現が上昇する。抗がん剤とPDGF受容体阻害剤を併用することで、抗がん剤単独と比較して、有意な癌細胞死の上昇が確認された。PDGF受容体阻害剤は、臨床分野で幅広く使用されており、従来の白金系抗がん剤と併用することで、抗がん剤耐性化を阻止する可能性が示唆された。
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