ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACI)は抗癌剤、抗てんかん薬として臨床応用され、クロマチンリモデリングに関与し、遺伝子発現を活性化する。骨形成においてはRunx2の安定化に関与し骨芽細胞の分化を促進する。本研究では、上顎骨円筒形骨欠損修復モデルを用いてHDACIの全身投与における骨形成能の賦活化を検討した。HDACIにはバルプロ酸 (VPA)を使用し、投与法は腹腔内投与、投与期間は円筒形骨欠損形成前7日間とした。VPA全身投与群では窩洞内新生骨形成能促進、円筒形骨欠損治癒促進を示す像が窩洞形成14日から21日後にかけて観察された。本研究より骨増成法におけるHDACIの有効性が示された。
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