本研究の目的であるインプラント周囲炎の発症,進行に関与する生物学的マーカーの同定と臨床的リスク因子の検討を達成するために,過去の文献,診療録調査をもとに作成した臨床診査プロトコルを用い,初期インプラント周囲炎患者に対する前向き調査を開始した.研究対象者5名の診査時平均年齢は71.0±4.6歳で,口腔内の平均インプラント体埋入本数は4.8±2.4本,インプラント周囲炎と診断されたインプラント体数は1.4±0.5本であった.また,インプラント体ならびに天然歯周囲ポケットからペーパーポイントを用いて浸出液を採取した結果,本手法にて16S rRNA解析に必要な細菌DNA量を採取可能であった.
|