NF-κBデコイを浸潤させるためのコラーゲン担体を作製し、ラット頭蓋骨の規格化骨欠損に埋入した。担体は埋入後3日で完全に分解され消失した。さらに、埋入後4週で、骨欠損にコラーゲン担体を埋入したラットと埋入していないコントロール・ラットの骨修復を組織学的に比較検討した。コントロールでは、骨欠損部の大部分に修復骨を認めたのに対し、担体を埋入した欠損には修復骨がほとんど見られなかった。コラーゲン担体の適用条件のさらなる検討が必要である。本研究で当初目的とした完全には修復されず残存した骨欠損の周囲に二次欠損を作製する実験系とNF-κBを標的とするデコイ核酸を用いる実験系の確立には至らなかった。
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