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2013 年度 実施状況報告書

低出力パルス超音波刺激を用いた早期骨再生法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24792177
研究機関東京大学

研究代表者

小宮山 雄介  東京大学, 医学部附属病院, 特認臨床医 (90586471)

キーワードLIPUS / 破骨細胞分化 / 骨芽細胞分化
研究概要

本年度は観察されたLIPUSによる破骨細胞分化増強効果についての検討を中心に行った。単球系細胞に傾倒していると位置づけられるRAW264.7細胞の培養中にRANKLを添加することで破骨細胞分化を促す分化系を用いた。
RANKL非添加群を陰性コントロール、RANKL添加群を陽性コントロールとし、それぞれに対してLIPUS刺激を行い、破骨細胞分化マーカー(NFATc1,ITGB3,TRAP,CTSK,MMP9)の発現とTRAP染色を行い破骨細胞数の計測を行いLIPUSの破骨細胞分化に対する効果を検討した。RANKL添加ーLIPUS群でリアルタイムRT-PCRによる破骨細胞マーカーの発現を顕著に上昇し、破骨細胞数も増加することが確認された。一方でRANKL非添加ーLIPUS群では破骨細胞分化マーカーの発現上昇は認めず、TRAP染色にも陰性となり破骨細胞形成は認められなかった。このことより、破骨細胞分化においてLIPUSが分化シグナルを増強することが確認された。
従来よりLIPUSの骨芽細胞分化に及ぼす効果が報告されているが、MC3T3-E1細胞に対してLIPUSによる骨芽細胞分化促進効果は今回の検討では観察されなかった。細胞種によるLIPUSへの応答性の差異が存在するのではないかとの議論もあり、この点について検証する必要があることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

破骨細胞に対する効果を認めたものの、骨芽細胞に対するLIPUS効果は確認されず、既存の報告とは異なる傾向が観察されている。このことについては、in vitroで刺激を与える細胞が異なることに由来することも考えられるため、反応性の高い細胞を模索することに時間を要することが考えられた。
一方、破骨細胞に対する効果については、再現性よく分化刺激の存在下での分化誘導現象が観察されるため、この現象が正しい事が考えられた。この破骨細胞に対する効果を検証するために繰り返し検証が必要であったため、研究全体の進行が遅れている。しかしながら、破骨細胞に対するLIPUS効果は現在までに報告が無く新規の事項であると思われる。この観点からも慎重な検証が必要と考え検証したため、遅れが生じたと思われる。

今後の研究の推進方策

培養細胞株でのLIPUSの破骨細胞分化への貢献が示されたため、今後は骨髄由来細胞をM-CSFおよびRANKLで分化誘導した破骨細胞においても同様の効果があるか観察していく。また、初代骨芽細胞および骨髄由来細胞の共存培養系に対してLIPUSを行った場合の効果を検討する。これに合わせてマウス脛骨骨折モデルに対してLIPUS照射を行い、その治癒過程を組織学的に観察して破骨細胞の形成状況を中心に検討を進める予定である。具体的には、 TRAP染色により骨折後2週間の治癒途上の組織において破骨細胞の誘導が促進されるのかを検討する。さらに、骨組織の定量的な解析を行い、骨の量的、質的観点から治癒に対する効果を再評価したいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

研究進行の都合上、遅れがあり、再実験のための試薬以外購入する必要が生じなかったため、平成25年度分使用額に残額が生じた。
前年度までに破骨細胞分化を促進する効果がある事が十分確認されたため、今年度はそのメカニズムを解明すべく、さらに研究を進めていく予定であり、ex vivo培養系や動物実験も予定しているため、これらの実験のために経費を使用していく予定である。また、今年度までに得られたデータをもとに論文執筆予定であり、経費の一部は論文投稿や英文校正のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低出力パルス超音波刺激による破骨細胞分化について2014

    • 著者名/発表者名
      小宮山雄介
    • 学会等名
      日本口腔科学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20140507-20140509

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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