ビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)の発症機構の一つとして、ゾレドロン酸(ZOL)が口腔粘膜上皮細胞のDNA損傷を起こし、細胞周期がS期に停止するため細胞増殖能が低下することを明らかにした。水溶性ビタミンB3であるニコチン酸とニコチンアミドは、DNA修復機構に関与している。このため、ビタミンB3を添加することによりDNA損傷が軽減され口腔粘膜上皮細胞の増殖能が回復されることを期待した。本研究では、ニコチン酸、ニコチンアミドおよび代替薬のDMSOを添加したが、細胞増殖能の回復は見られなかった。一旦、重度なDNA損傷が生じた細胞では、修復過程の回復が困難であることが示唆された。
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