本研究において、放射線性骨髄壊死のラット実験動物モデルを作製することができ、また、その組織学的解析、タンパク質の抽出などの実験方法が確立できた。培養細胞から細胞外基質を採取することは困難であったため、ラット骨髄間質細胞の培養細胞が分泌した培養上清を応用することとなった。しかしながら、培養上清の投与は困難を極め、放射線性骨髄壊死の治療法の開発にはいたらなかった。 その一方で、放射線骨髄壊死の骨の細胞外基質の変化を示唆するため、細胞外基質分解酵素であるグランザイムBの免疫染色を行ったところ、放射線照射一日目に骨髄内と骨に発現が認められた。今後の放射線性骨髄壊死の病態解明の礎となる結果が得られた。
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