本研究は、関節リウマチ(以下RA)患者とその配偶者の生活史を当事者の視点で捉えることを目的とした。同地域に居住する6組のRA患者とその配偶者たちにインタビューを行い、生活史を分析した結果、患者らは日常生活に必要な身体技法を獲得し、配偶者の間に家族機能維持のための家庭内役割の変容を生じさせていた。さらに社会的な場面では、RA患者は他者にRAであることを告白する/しないといった印象操作を戦略的に行い、それによって自己の身体への負担の軽減とアイデンティティの保持を行っていた。 彼らへの支援で重要なことは、患者個々のもつ社会的状況を把握し、次にそれらと症状との関連を考えることである。
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