本研究では皮質内微小電気刺激法を用いた皮質マッピング法により、内包出血および麻痺肢集中使用による運動野体部位再現マップの変化を解析した。内包出血後には、前肢支配領域は一旦消失し、一部のラットでは 10 日後に出血前と比べ尾内側部の領域に再出現を認めた。これに対し、麻痺肢集中使用を行ったラットでは、より広い範囲かつ多くのラットで前肢支配領域の再出現を認めた。同群のラットでは前肢機能に関しても有意に改善を認めた。加えてこれらの領域を muscimol で抑制すると、前肢の機能が低下したことから、 同領域が麻痺肢の機能改善に関連していることを見出した。これらの知見は、麻痺肢集中使用法における作用機序の解明において重要なデータであると考える。
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