本研究では言語的変異の大きいアパブランシャ語(以下Ap)文献を整理し、規範化以前の初期段階、文語としての完成期、近代インド語への移行期に分類することを目的とする。研究成果は「韻律の変遷とAp. 文献の関係」「Ap文学と古グジャラート語文学のラーサー文学との関係」の2点に分けられる。前者においてはAp文学の時代的な推移と当時の韻律理論書に見られる韻律の発展とを比較し,Apテキストの新古を推定した。後者においてはラーサー文学の初期の説話構成がApジャイナ教文学と非常に似ていることを指摘し,内容面で「近代インド語への移行期」のAp文献を切り分けうることを示した。
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