本研究の対象であるメラネシアは、月経や出産という女性の身体の生理的現象を忌避する社会として広く知られている。本研究は、パプアニューギニアにおける生理用品(ナプキンのような西洋起源の月経処置の道具)の受容に焦点をあてて、女性の身体の歴史的経験を明らかにすることを目的とした。 月経処置の道具の変遷について、基礎的な資料を収集した。それらの使用方法と月経期間の過ごし方から、月経小屋が存在した当時とナプキンが普及した現在の月経にまつわる慣行を比較した。ナプキンの使用によって女性は行動範囲を広げ、月経という身体の出来事は女性個人のものとなった。
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