(1)原価企画の生成発展過程を解明するための枠組み、(2)原価企画の生成発展過程、および(3)現在の原価企画実践、の3点を中心に研究を行った。(1)は、原価企画における許容原価方式と積上方式というふたつの方式のうち、積上方式に関わる技法であるVEを社会的に共有された制度として捉えることを論じた。(2)は、歴史的資料の収集とインタビュー調査に基づき、VEが高度成長期の日本企業間に共有されるとともに、原価企画が形成される過程を研究した。(3)は、モジュール化やプラットフォーム共通化の進展の中で、企画設計段階と量産段階を包括するコストマネジメントが行われていることを明らかにした。
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