本研究は、ステップファミリー・継親子関係の法的規律に関して、実際の当事者の法意識・法的ニーズを踏まえながら、比較法的手法も用いつつ検討した。その結果、この問題については、婚姻家族の解体・再構成・再解体をめぐる家族関係の変容過程を長期的・動態的に捉える視点が重要であること、そして、現在の日本家族法上の、養子縁組による新たな婚姻両親家族への包摂による子の利益保護には限界があることを明らかにした。それとともに、新たな制度構築を目指す上では、日本家族法の基本枠組みである婚姻両親家族モデルを、どの程度、どのような形で相対化させるかという大きな問いに関し、更なる考察を加える必要があることを確認した。
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