アルキンを出発原料として、短工程で多置換オレフィンを合成する効率的な方法論の確立を指向し、研究を行った。ジボロンとジボロンを活性化するアルコキシド基を有するプロパルギルアルコキシドとの擬分子内反応を設計し、高トランス選択的なアルキンのジボリル化反応を開発した。本ジボリル化反応と鈴木-宮浦クロスカップリングを組み合わせることにより、ワンポットで四置換オレフィンを合成できることを見出した。また、ジボリル化生成物は、その抗真菌作用をはじめとした様々な生理活性によって注目されているオキサボロロール骨格を有しており、本研究で開発された反応は、医薬分野に新たな化合物を供給する有用な方法になると期待される。
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