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2013 年度 実績報告書

トランスポーターによる尿毒症物質除去を標的とした新規慢性腎臓病治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24890013
研究機関東北大学

研究代表者

秋山 泰利  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (70635557)

研究期間 (年度) 2012-08-31 – 2014-03-31
キーワード尿毒素 / トランスポーター / SLCO4C1 / インドキシル硫酸
研究概要

これまで申請者らが同定・単離し報告したSLCO4C1トランスポーターは腎臓近位尿細管の血管側に発現しており、内因性の代謝性物質だけでなく、ある種の尿毒素の排泄にも関与すると考えられている。一方、慢性腎臓病では腎臓や肝臓のトランスポーターの発現や機能が低下することが知られており、SLCO4C1も腎不全モデルでは発現が低下することが明らかとなり、腎不全時にはSLCO4C1による尿毒素の排泄が十分に行われなくなると考えられた。今回申請者は尿毒素が直接SLCO4C1遺伝子の発現を抑制するという仮説を立て、腎機能の低下に伴い体内に蓄積する各種物質を用いSLCO4C1 mRNA発現への影響をスクリーニングした。その結果代表的な尿毒素であるインドキシル硫酸(IS)が濃度依存性にSLCO4C1発現を抑制し、この抑制には転写因子GATA3の発現亢進を介していることを明らかにした。
In vivoの検討ではラットにISを投与すると腎slco4c1の発現が低下し、slco4c1の基質であるグアニジノコハク酸(GSA)の血中濃度が上昇した。さらに慢性腎不全モデルラットに対し経口吸着炭を投与したところ、ISの血中濃度の低下とともにslco4c1 mRNAの発現が有意に上昇し、GSAの血中濃度が低下した。これらよりISはSLCO4C1の発現を低下させることで、本来であればSLCO4C1により排泄されるべき尿毒症物質の蓄積をも招いてしまうことが示唆された。
これらの結果はISがSLCO4C1の発現低下を介してさらなる尿毒症物質の蓄積を招く、尿毒素蓄積の悪性サイクルの原因物質である可能性を初めて明らかにするものであり、ISを標的としたSLCO4C1の発現調節という新規慢性腎臓病治療の可能性をも示唆するものであり、有用な情報となると考えられたため論文にて報告した(PLoS ONE2013)。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Indoxyl Sulfate Down-Regulates SLCO4C1 Transporter through Up-Regulation of GATA32013

    • 著者名/発表者名
      Yasutoshi Akiyama
    • 雑誌名

      PLos ONE

      巻: 8 ページ: e66518

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0066518

    • 査読あり
  • [学会発表] Indole-3-acetate Inhibits Erythropoietin Receptor Expression and Erythropoietin Signaling in vitro2013

    • 著者名/発表者名
      秋山 泰利
    • 学会等名
      アメリカ腎臓学会
    • 発表場所
      アメリカ アトランタ
    • 年月日
      20131108-20131108

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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