神経性無食欲症(AN)の病態には、免疫系の異常の関与が示唆される。本研究では、脳内ミクログリア活性を調べる目的で、AN患者を対象に新規トレーサーである11C-DPA713によるポジトロン断層法(PET)を施行した。 まず、健常者13名を対象とした検討により、11C-DPA のPET画像解析に低侵襲な参照領域法が使用可能であること、および、ミクログリア活性の測定に頻用されるトレーサー11C-PK11195に比べ11C-DPAはシグナル・ノイズ比が高いことを確認した。そこで、AN患者9名を対象に11C-DPA PETを行ったところ、脳の広汎な部位においてミクログリア活性の上昇が示唆された。
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