内リンパ嚢は、近位部、中間部、遠位部の3部位に分けられるが、いずれの部位でもProx1の発現が確認できた。内リンパ嚢中間部はmitochondria-rich cellsと、ミトコンドリアが少ないribosome-rich cellsの2種類の細胞から構成されるが、mitochondria-rich cellsではProx1はほとんど発現していなかった。内耳(蝸牛)、神経系におけるProx1の機能は、前駆細胞から機能を持った細胞への分化誘導を促していると報告されている。内リンパ嚢においても、Prox1がイオン輸送障害時等に機能性細胞への分化誘導を推し進めていることが推測された。
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