非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)では酸化ストレスが病理進展機序の一端を担うと考えられるが、その詳細は未だ不明のままである。酸化ストレス傷害の一様式である肝細胞風船様変性は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)診断の要件となっているが、判別に難渋することが稀でない。本研究はユビキチン免疫組織化学染色の併用がNASH病理診断に有用であることを示した。さらに其の様にして正確に診断されたNASH/NAFLD組織標本において、スカベンジャー受容体を介しマクロファージに取り込まれる酸化リン脂質の局在が腫瘍壊死因子産生と密接に関連することが示され、酸化ストレス悪循環回路形成の可能性が示唆された。
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