本研究では、脳循環調節機構をレドックス制御という観点から解明し脳循環障害を改善する候補薬物を探索する事を目的とし、以下の事を明らかにした。1) 脳循環障害時に認められる皮質各延性抑制(Cortical spreading depression; CSD)を改善する薬物の探索を行い、L-シトルリンがNOシグナルを介してCSDを改善する事を見出した。2) N-methyl-D-aspartate (NMDA) による局所脳血流量の異常な増大や神経傷害にMEK/ERKシグナルの活性化やcalcineurin/NFATシグナルの活性化が関与する事を明らかにし、創薬ターゲットとしての可能性を見出した。
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