研究課題/領域番号 |
25240012
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森嶋 厚行 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70338309)
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研究分担者 |
杉本 重雄 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (40154489)
中村 聡史 明治大学, 総合数理学部, 准教授 (50415858)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | クラウドソーシング |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き,構築したクラウドソーシングプラットフォームのこれまでの運用知見と研究成果に基づく機能拡充を行うと共に,並行して基礎,応用研究を推進した. 大規模アカデミッククラウドソーシングプラットフォームの構築とこれまでの運用・研究成果に基づく機能拡充に関しては,マイクロタスクのWebへの埋め込みを強化したほか,翻訳機能などの国際化機能を充実させた.また,実行プロジェクトのパフォーマンスボトルネックを発見するためのプロファイラなどを実装し,複雑なクラウドソーシングプログラムのパフォーマンスチューニングを容易にした. クラウドソーシングに関する基礎研究に関しては,様々な問題をクラウドソーシングを用いて解決するための基礎研究の推進を行い,発表を行った.具体的には,クラウドソーシングにおけるインセンティブ構造の記述を支援する仕組みを理論的・実験的に示した論文を発表した.また,複雑な問題を解くための小さなタスク集合を生成する技術に関しては,不十分なデータから開始するデータグルーピングの問題を例に,実際のデータを用いた検証を行った.さらに,データ品質向上のためのタスクの文面改善の研究,床に投影したマイクロタスクの研究等に関しての成果が得られた. 実プラットフォームを用いた応用研究の推進に関しては,連携研究者と共に,情報保障領域,自然災害領域,医学情報領域についてプロジェクトを推進し,それぞれ成果を得た.具体的には,人の出入りが制御できない状況を想定したクラウドソーシングによる情報保障支援手法,自然災害に関する航空写真を人間の力で効率的に統合する手法や,効率的な被災箇所発見につながるクラウドソーシングタスクの制御手法,また,健康等に関する仮説をクラウドソーシングで発見する手法などに関して成果が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展していると考える理由は次の通りである.まず,大規模アカデミッククラウドソーシングプラットフォームの構築とこれまでの運用・研究成果に基づく機能拡充に関しては,計画通り,基礎研究の成果や実際のプロジェクト運営の知見を生かした機能拡充を順次進めているほか,国際化に関しても,登録ユーザの所属国数が40ヶ国になった.次に,クラウドソーシングに関する基礎研究の推進に関しては,計画の項目に書かれた内容に関して研究を進め,多くの項目において知見を得た.最後に,実プラットフォームを用いた応用研究の推進に関しては,情報検索領域,情報保障領域,自然災害領域についてプロジェクトを推進し,それぞれ成果を得た.これらの研究は開発したプラットフォームを活用する形で行われている.また,新たに医療情報額領域での研究を開始し,マンガ領域でのクラウドソーシング応用に関しても着手を開始した.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,構築した大規模クラウドソーシングプラットフォームをより活用した研究に焦点を置く.連携研究者と共に実際のクラウドソーシングプロジェクトを推進しながらクラウドソーシングの理論・応用に関する真の問題を発見し,その問題に取組むと同時に,これまでの各種基礎研究の成果およびプロジェクト運営の知見をプラットフォームに反映させるループを継続して推進する方針である.
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