藤ノ木古墳出土品からみた考古系博物館における展示・公開に関する総合的研究

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 25242025
• 研究機関: 奈良県立橿原考古学研究所
• 研究代表者: 今尾 文昭 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別研究員 (20250368)
• 研究分担者: 菅谷 文則 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 所長 (10275175) ; 木下 亘 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 副館長 (40250378) ; 橋本 裕行 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 課長 (80270776) ; 水野 敏典 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 係長 (20301004) ; 廣岡 孝信 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 指導研究員 (00260373) ; 奥山 誠義 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 指導研究員 (90421916) ; 北井 利幸 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 主任学芸員 (70470284) ; 柳田 明進 奈良県立橿原考古学研究所, 企画部資料課, 主任技師 (30733795) ; 加藤 和歳 九州歴史資料館, 学芸調査室, 研究員(移行) (80543686) ; 今津 節生 奈良大学, 文学部, 教授 (50250379) ; 設楽 博己 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (70206093) ; 品川 欣也 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 主任研究員 (30440142) ; 松井 敏也 筑波大学, 芸術系, 准教授 (60306074)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 博物館展示学 / 博物館学 / 考古学 / 文化財科学 / 保存科学

研究実績の概要

奈良県立橿原考古学研究所附属博物館では藤ノ木古墳出土品をはじめ11件（3000点以上）の国宝等国指定文化財を保管・展示している。これらの多くは修復や保存処理が施されているが、恒久的な処置ではない。多くの博物館では、予防保存の観点から未然に腐食や変・退色等の化学的劣化を抑制する措置が検討されているが、物理的にいかなる変化が生じているか把握されていない。また、外部機関への出展、展示替え、見学対応などに伴う移動による負荷が生じるが、その影響も把握できていない。
本研究では、展示・保管環境が与える資料への影響を肉眼で把握可能な形状変化と照度・大気・振動・温度・湿度等の展示・収蔵環境調査と非接触高精細三次元形状計測及び透過X線撮影検査による微細物理的検査との相関性について研究し、適正保管・管理・公開促進計画の指針（試案）を検討するものである。
平成28年度は、附属博物館における通年の展示・保管環境を把握するため、常設展示室の展示ケース内と特別収蔵庫内に照度・温度・湿度データロガーを設置し、引き続きデータ収集を行った。また、データロガーで収集したデータを解析するために必要な博物館の周辺環境（外気温・降雨量など）を調査する気象観測装置で引き続きデータ収集を行った。
三次元形状計測は定期計測を続けている纒向遺跡出土の木製高杯、四条古墳出土の鳥形木製品のほか、保存処理を行った鉄製品等を計測した。また、展示・収蔵環境の温湿度環境が木製品に与える影響を調べるために現生木の試験材を展示ケース内と収蔵庫内に設置し、定期的に三次元形状計測を行った。このほか、国内各地の博物館での展示・保管環境について各館の担当者に話を伺い、情報収集を行った。
以上の調査内容・研究成果等について2015年9月11日（日）に附属博物館で検討会を実施した。四年間の研究成果について研究成果報告書（A４判122頁）にまとめ、刊行した。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [図書] 藤ノ木古墳出土品からみた考古系博物館における展示・公開に関する総合的研究 (2017)
  • 著者名/発表者名: 今尾文昭編
  • 総ページ数: 122