研究課題
基盤研究(A)
本研究では、移動視標の将来の位置が見えるという予測的知覚(表象的慣性)について、(1)スポーツ熟練者における予測と表象的慣性の関連性、(2)表象的慣性の発育発達・加齢変化、を実験的に検討した。その結果、野球選手の顕著な表象的慣性(より将来が見える)は彼らのタイミングの正確性と強く関連していたが、テコンドー選手にはそれらの特性は見られず、スポーツタイプによって特性が異なるものと推察された。発育発達・加齢変化については、小学生低学年児の表象的慣性が最も大きく、大学生、高齢者になるに従い減弱した。したがって、表象的慣性には発育早期の獲得及び学習・熟練による獲得の両面があるものと推察された。
スポーツ心理学