研究課題/領域番号 |
25245072
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑原 知子 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20205272)
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研究分担者 |
大山 泰宏 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00293936)
西平 直 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90228205)
田中 耕治 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10135494)
矢野 智司 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60158037)
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70195444)
山名 淳 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80240050)
稲垣 恭子 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40159934)
渡邊 洋子 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70222411)
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70301306)
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研究期間 (年度) |
2013-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | 教育学 / 力動的秩序形成 / 教育空間 / 多次元的研究 |
研究概要 |
初年度は,①研究組織の詳細な構築,②各プロジェクト別の研究活動,③プロジェクト間での共同研究,④情報発信およびアーカイヴ体制の整備,がおこなわれた。 ①:活動フィールドや専門分野に鑑みつつ,それぞれの分野に研究分担者を配置し,大学院生や研究員をも含めたプロジェクト・ユニットを構築した。 ②:学校改善プロジェクト:県立A高校において,生徒の意欲と主体性を涵養する授業や介入方法に関して,ワークショップや教員研修を継続的におこない,その効果が評価された。また市立B小学校での教員を交えた研究会,府立C高等学校での教員志望の学生を対象としたインターンシップの実施とその効果の検討などがおこなわれた。さらに,LINEを初めとするソーシャル・メディアに関する実態/意識調査をおこなった。家族研究プロジェクト:家裁(家事)の関連者を招いて研究会が開かれ、近代家族の揺らぎの実態に関する検討がおこなわれた。不適応対応プロジェクト:少年更生のための親子合宿への支援を試みた。交流空間プロジェクト:野殿・童仙房地区での継続的交流の他,右京区京北町の地域リソースや共同体に関する調査がスタートした。国際比較研究:北京において北京師範大学の学生との交流を通して,教育のグローバル化と土着化に関して研究発表と意見交換をおこなった。 ③:4回の合同研究会を通して,本研究全体の方向性に関するコンセンサスの醸成,異分野間の知的交流を通しての新たな課題の発見がおこなわれた。また,旭山動物園を訪問し園長にインタビューすることを通して,他者との関係性を構築するアーキテクチャのデザインに関して,新たな課題発掘をおこなった。 ④:①~③を通した成果や活動に関しては,HPを新たに作成し情報発信をおこなうことが開始されるとともに,当該HPを通して研究成果の蓄積と共有(研究組織内)をおこなうことができる体制を整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付決定の通知が10月であったので,当初予定のタイムスケジュールより進行は遅くならざるをえなかった。しかしながら,今後の研究推進のための基盤は,短期間であったが十分に達成することができている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の活動を通して,学校,家庭,地域,国際のいずれの領域においても,既存の秩序の揺らぎの存在と,新たな力動的秩序生成の必要性が確認でき,本研究の主要仮説が検証されている。平成26年度では,平成25年度に構築した研究推進のための基盤を十分に活用して,研究成果を蓄積していく予定である。学校領域においては,25年度の活動で明らかになった,生徒集団内でのサブグループや力動的秩序の解明およびその形成に関して焦点を当て,関わりの方法等に関して実践研究をおこなう。家族研究プロジェクトでは,近代的家族制度が揺らぎつつある現在,それに代わる,あるいはそれを補完するようなどのような基礎的な人間関係があり,それらが人格形成に与える影響等に関して研究をおこなう。このことは,交流空間プロジェクトの活動とも連動する。交流空間プロジェクトでは,25年度にスタートした地域との共同的アクションリサーチの仕組みをもとに,地域住民の手による自主的な教育・人育ての空間と関係性の創出に関して研究をおこなう予定である。国際比較研究では,学ぶ側からやがて教える側に移行していく大学生が,どのようにグローバル化社会の課題を捉え,それを解決する教育のあり方を自らが作り上げていくことをめざした交流をおこなう予定である。また25年度の成果を引き継ぎつつ,プロジェクト間の,あるいは研究者間の共同研究や研究交流をさらに重点的に活発化し,教育,家族,地域,国際のそれぞれの領域が緊密に連携した,ミクロレベルからマクロレベルまでを包括する新たな力動的秩序生成のアーキテクチャのデザインに至る下地を作る予定である。
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