本研究では、生食用青果物(ミニトマト、レタス、ホウレンソウ)における生産環境(土、水)からの食中毒細菌汚染の機構について検討した。種々の濃度のサルモネラ,腸管出血性大腸菌O157、リステリアで汚染した土壌を用いて栽培した結果、汚染土壌中の食中毒細菌は、収穫時にも初発汚染菌濃度に比例して生残した。これらの汚染土壌で栽培した可食部分は、ミニトマトでは食中毒汚染は認められず、レタスおよびホウレンソウでは、土壌汚染菌量に比例して汚染頻度は増加した。表面に接種した細菌は、無傷の場合数日後には陰性となったが、損傷部分で長期間生残した。ポリリジンと乳清タンパクによる前処理は食中毒細菌の付着力を低減した。
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