研究課題/領域番号 |
25285140
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
辻山 栄子 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (50114020)
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研究分担者 |
山崎 尚 獨協大学, 経済学部, 講師 (60732477)
安 珠希 早稲田大学, 商学学術院, 助手 (90645566) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 財務会計に対する社会的要請 / 財務会計の概念フレームワーク / 意思決定有用性 / 受託責任会計 / 会計基準の国際比較 / 会計基準のコンバージェンス / 国際財務報告基準 |
研究実績の概要 |
本研究は、現代の財務会計に対する社会的要請に関する調査研究を目的にしている。この目的を達成するため、2015年度には次のような作業を行った。 (1)国内の財務諸表作成者および利用者(アナリスト)の財務会計に対する意識調査を目的にしたアンケート結果の解析作業 ①2014年度に実施したアンケートの分析の枠組みを検討することを目的にした研究会を計8回開催した。②上記の分析枠組構築のための助言ならびに統計処理の妥当性に関するアドバイスを得るために、外部有識者(Roshan Ajward博士:Sri Jayewardenepura大学)を2016年2月に早稲田大学に招聘し、計3回の検討会、セミナー1回を開催した。③これらの検討結果を纏めた論文を公表するための準備を進めた。なおこの論文は本科研費課題の延長期間である2016年度中に学内紀要等に投稿する予定で、引き続き論文の加筆修正作業を進めている。 (2)海外調査については、当初予定したアンケート調査の代替手段として、海外の有識者に対するインタビュー調査(米国FASBボードメンバー Linsmeier氏、米国Yale大学Sunder教授、米国MITRoss Watts名誉教授)を実施した。 (3)上記のインタビュー調査対象者の一人MITのRoss Watts名誉教授を早稲田大学に招聘し、「米国における会計・監査と、それらが資本市場に与える影響の現状 」というテーマで公開セミナー(参加者190名)を開催し、討議を行った。 (4)本科研課題において構築したweb上の研究拠点(http://w-arc.jp)を通じて、上記の(1)~(3)の活動を情報発信した。 (5)書物の出版→本科研費研究課題が引き継いだ2010~2012年度の課題研究「財務会計における基礎理論の国際比較」における問題意識ならびに研究会の成果を、書物として刊行するための作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題研究のテーマ「現代の財務会計に対する社会的な要請の調査研究」について当初予定していた作業はほぼ完了した。ただし研究成果を雑誌に投稿する作業は2016年度も続けている。 (1)国内の財務諸表作成者および利用者(アナリスト)の財務会計に対する意識調査を目的にしたアンケート結果の解析については、①分析枠組みを構築した。②上記の分析枠組みに即して分析結果を記述する作業はほぼ完了しているものの、分析成果を雑誌に投稿する作業が未完了であるため2016年度にこの作業を継続している。 (2)当初予定していた海外アンケートの回収率が極めて低いことが判明したため、その代替手段として海外の基準設定主体の代表者ならびに研究者に対するインタビューを実施した。このインタビューのテープ起こし(transcription)を精査し、web掲載用に編集する作業を完了した。 (3)2015年12月17日に実施した上記のインタビューの対象者の一人であったMITのRoss Watts名誉教授の公開セミナーについてもテープ起こしを精査し、web掲載用に編集する作業を完了した。 (4)本科研課題において構築したweb上の研究拠点(早稲田大学会計研究センター:http://w-arc.jp)を通じて、上記の(1)~(3)の活動を通じて得た成果を情報発信した。 (5)本科研費研究課題が引き継いだ2010~2012年度の課題研究(基盤研究(B)22330140)「財務会計における基礎理論の国際比較」の研究成果を、単行本「IFRSの会計思考―過去、現在そして未来への展望」(中央経済社、総ページ数318頁)というタイトルで出版した。
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今後の研究の推進方策 |
研究テーマ「現代の財務会計に対する社会的な要請の調査研究」について当初予定していた作業はほぼ完了した。2016年度は、研究成果を雑誌に投稿する作業を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度中に完了した研究成果を投稿する雑誌論文の精度を高める作業を継続するために必要資金を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
①最新の情報収集を行うための2016年度のIASBのサブスクリプション代:10万円、②検討会ならびに研究報告用旅費等:30万円、③最終報告書印刷費用:40万円、④雑費10万円
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