研究課題/領域番号 |
25289089
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮尾 正信 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 特任教授 (60315132)
|
研究分担者 |
佐道 泰造 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (20274491)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 電気・電子材料 / 半導体 / Si系ヘテロ半導体 |
研究実績の概要 |
本研究では、LSI性能の飛躍的向上を目指し、Ge中におけるSnの熱平衡固溶度の壁を打破する非熱平衡GeSnプロセスの研究を行う。次に、その知見を絶縁膜上におけるGeSn横方向成長に展開し、Si基板と絶縁分離したGeSn-on-Insulator構造を創出する。今年度は、3年計画の第2年度として、下記研究を行った。 ① 非熱平衡GeSnプロセスの構築 前年度に引き続き、半導体基板上におけるGeSnの成長時にボンド結合を変調する非熱平衡プロセスを検討した。a-GeSn/c-Si構造、a-GeSn/c-Ge構造等の固液共存温度領域における結晶成長を検討し、単結晶GeSnのエピタキシャル成長を実現した。成長層のSn濃度を、ラマン分光法、オージェ分光法、電子顕微鏡法などを用いて総合的に解析し、Sn濃度は、成長温度の低温化につれて上昇することを明らかにした。 ② Snの熱的安定性の検討 非熱平衡プロセスでGeの格子位置に導入した高濃度Snは、デバイス作製時に必要となる熱プロセスで格子間位置へと析出し、熱平衡固溶度へと収斂を始める可能性がある。そこで、非熱平衡プロセスで成長したGeSn中の高濃度Snの熱的安定性を検討した。その結果、非熱平衡プロセスで導入した、熱平衡固溶度を超える高濃度Snは、格子位置で準安定状態をとり、熱的安定性は高いことを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
綿密な実験計画を立てて研究を推進しているので、おおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
現在まで、ほぼ計画通りに進行しているので、特に研究計画の変更は考えていない。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験装置に工夫を加えつつ、研究を推進した結果、基板材料、成膜材料、薬品などの消耗品の使用が減り、物品費が減額した。 以上により、次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額を活用し、次年度は、実験手法にさらに改良を加え、実験のターンアラウンドタイムの短縮を図る。これにより、研究を加速し、研究目標の確実な達成を目指す。
|